活字中毒者の禁断症状

引きこもりが読書感想文を提出するブログ

【読書感想】純猥談 一度寝ただけの女になりたくなかった

感想文ってほどじゃないけど

 

もうね、色々本読んでたら分かるんですよ

過激そうなタイトルだけど中身がそれほど過激じゃないことくらい

で、気になって読んでみた

 

この本は23個の話が綴られた150ページちょっとの本なんですね

だから一つひとつの話はとても短い

正直半分くらいが嫌いな話

さらにその半分はどちらでもない

って感じだったんですけど

何個かの話が良くて

ここでは3つほど紹介

 

1つ目

『来世は元気に生まれるからその時は一緒になってください』

幼馴染が亡くなって

次は元気な身体で生まれてくるから一緒になってほしい

っていうメッセージが書かれた折り紙を受け取る

って話で

作り話として作りやすいような話だと思うんですけど

テンポの悪さみたいなものが良かった

 

中学の頃に病気になって動けなくなった彼と遊んでて

彼が亡くなったとは大学1年の頃で

折り紙を受け取ったのがさらにその2年後

それぞれ時間が空いてるところと

彼が折り紙として使った小学校時代の思い出のものの対比で

彼の思いの強さが伝わってきて心に来てしまった

 

2つ目

『私たちはもうすぐ、家族になる』

この話は言葉遣いはあまり好きではなかったけど

飼っていたうさぎが死んだ翌朝、

彼が喪服を着て家にやってきた

っていうところが好きだった

付き合っている人のペットが亡くなった時に

ちゃんとペットに焦点を当てて喪に服そうとする姿勢の美しさ良いなって思いますね

歪みのない人間性憧れるな

 

『短い間だったけど、僕には彼氏がいた』

一言で言うと同性愛者の話

話が短いから同性愛者に寄り添うような表現はなくて

事実の流れがメインで描かれている

だから同性愛者だった彼との距離感が遠くて

共感できないけど彼の苦しさは理解できるように描かれている

そのもどかしさが同性愛者が異性愛者の解釈で歪められてない感じがして良かった

 

とても悩むくらいの読後感

良いところはとても良いけど興味がないところも多い

売れるのはわかるかなっていうあたりだった

続編読むのほんと悩む