ブッカー賞受賞作
あらすじ
長年ダーリントン卿に仕えてきた執事のスティーブンス。彼は現在の主人であるファラディの勧めで1週間の休みを取りドライブに出かける。その道中や宿で長年仕えてきたダーリントン・ホールでの様々な思い出に耽るという話
カズオ・イシグロさんはノーベル文学賞の受賞者ということで前々から読みたくて原文でも読んでたけど時間かかって断念
だから先に日本語訳で読んだ
もともと日本生まれの筆者ですけど
やっぱり本のもつ雰囲気は海外の雰囲気ですね
初めて読むような雰囲気でしたね
正直に言うと、文化の違いなのか、考え方の違いなのか
面白さというのはあまりわからなかった
ただ『日の名残り』というタイトルの意味が最後の方で分かったのは綺麗だなって思いました
少し具体的に言うと
旅の最後で夕日を眺めるあたりで
日の名残りっていうのが長年執事として勤めてきて人生が終わりに傾いていっている
今のスティーブンスを象徴している言葉なんだ
って考えるとそこまで本で描かれてきた描かれ方というのと車で各地に赴くのが人生の流れを表しているように思えて
その構成はさすがだなって
偉そうに思いましたね
ちょっと面白く感じられなかったところにも触れると
この本で主に描かれているのが
執事としての格でそのプライドから
考え方の違いでミス・ケントンに嫌味を言ったり、周りの人と衝突したりしているのを相手が全部悪いという思いが溢れていたり
自分がどれだけ些細な気遣いを欠かさなかったかというエピソードを紹介したり
しているのがちょっと自分に合わなかった
消化不良気味ではあるんですよね
他の作品を読むと納得できる部分も増えるかな