織田作之助賞候補作
あらすじ
ある国の経済はそびえ立つ一つのカジノタワーによって担われていた。国を支配することを目論む主人公のルイはそのカジノタワーで、来る途中に出会ったピアッサやパソコンが得意なアシュラフを味方につけながら上を目指す…という話
ちょっとまず1番に思ったのは
宮内悠介さんHUNTER×HUNTER好きなんかな
この作品は天空闘技場過ぎるって
『アメリカ最後の実験』はハンター試験っぽいかなあくらいだったんですけど
60階になるとカジノの様子が変わり、一気に動く金額が大きくなる
ってもう天空闘技場やん
カストロとか出てこんと話入ってこんって思ってた
では具体的に面白かったところを2つほど紹介
まず1つ目は
ギャンブルにハマる背景
ギャンブルに溺れたり、賭けたりする人物が描かれるんですけど
ギャンブルで偶然勝ってしまったこと、恋人が病んでしまった世界をひっくり返したいということ、亡き夫の代わりなど様々な背景があって
当たり前だけどそのどれもが負のイメージを纏うもので
改めてギャンブルって現状を劇的に変えたい願望を抱えたい人たちがハマるから治安が悪いイメージあるのかって納得したな
そう考えるともっと純文学のテーマとして扱われること多くて良さそうだけどね
2つ目は
金資本社会の虚しさ
ピアッサは考古学者の父の仇としてカジノタワーに挑むんですけど
その結末がとても無力で切なくなったな
お金はもちろん大事だけど全てをお金に換えられる世界ってすごく虚しいよな
現代だと本当にお金で買えるものが多いと思うけど人によってお金の価値は違うって感覚は持っていたいって思ったし
優しさとかの感情をお金で買ったものだけで判断したくないって改めて思ったな
宮内悠介さんの作品の共通項が少しずつ掴めてきたのだけど書くとなるとめっちゃ難しそうな題材ばっかよな