2020年に発売された作品
あらすじ
冴えない中学生の私は、北村晴男という同級生の影響を受けながら魔女になることを夢見る。自分が女になったことを妄想して日記を綴ったり、雑木林で全裸になって自慰をしたり、昼食を食べずに断食をしたりして過ごす。そんな私は父親に性愛の対象として見られていると感じ…という話
訳わかんない話
でもめちゃくちゃ吉村萬壱さんっぽい気がして、面白い
主人公の魔女に近づきたい欲求はとても強大で根源的で主人公の奥深くに巣食うものでちょっと怖くもありますね
この話の面白さは主人公の複雑な欲求に尽きると思いますね
主人公は同級生の女子に魅力を感じている男子中学生らしさと女として日記を綴ろうとする部分が共存していて
具体的に主人公がどうなろうとしているのかが上手く掴めない
それに父親に足で足を撫でられることに対して執着を感じるほどの喜びを感じていて
途中に母親にヘンタイって連呼される場面があって
まさに変態としか言いようがないような気がする
あとタイトルの『流卵』というのが本文中に流れるイメージも卵も印象的に描かれていないからどうしてこのタイトルなのかがわからない
卵が女性性の象徴でそれが主人公のなかで流れてるっていうとそれっぽいけど
そもそも主人公は魔女になりたいけど女性になりたいって思っていないようなっていう気もしてなんだろうなって思いますね
三島由紀夫の『金閣寺』に似てるみたいなこと描かれてたんで読みたいんですけどこの本に似てる話ある?ってちょっと懐疑的