結構売れてるはずの本
話は、
家族に馴染むことが出来ずに姉と両親を一歩引いたところから見ていた主人公がいて、そんな主人公が恋をした従兄弟の由宇と恋人になり、お互いが魔法少女と宇宙人であることを告白して、二人は夜に家から出て…という前半と、
大人になるまで由宇とは会えなかった主人公が久しぶりに由宇と会うと、大人になった由宇は社会に溶け込むために仕事を探していた。主人公はそれを地球星人の洗脳だとし、その洗脳を解こうとするが…という後半からなる
最初の方はこれまで読んだ村田沙耶香さんの本ではあんまり見なかった姉妹間での差だったり、家族に馴染めないことだったりっていうのが主題になっててこの本は繊細な心の機微が書かれているのかと思ったら
最後まで読んだら『生命式』と『丸の内魔法少女ミラクリーナ』へのプロローグじゃねえかって言いたくなって笑ってしまった
まあそういうのが好きなんですけどね
ただレビューとかでこの本がさすがの内容で素晴らしい本でしたとかはやめてほしいなって
なんかそういうテンション感の本ではない気がする
もっとテンション高めで読む本な気がするって思いましたね
具体的な内容としては、
社会が工場でみんな地球星人によって洗脳されて、働かされて、子どもを生むように言われて生きているから
その洗脳を解いていかないといけないっていうのが主人公の思考なんですけど
就活しててめっちゃ共感するところがありましたね
ほんと最近急にブログを書き続けるのがすごいみたいに言われることがあるんですけど
それはさすがに就活に洗脳されてるわって
心配になる
木を確かにもつんだ
あとめずらしくちゃんとした犯罪となった性がまつわるものがあって
そこで自分から見えているものと他人から見えているものの差を描きながら書いていて
対処法もめちゃくちゃらしくて
清々しかったー
グロいけど
ここ数年の村田沙耶香さんの芯となるとところが惜しみなく書かれていて
確かに代表作的な扱いをするのも間違ってはないんかなと思いましたね