古市憲寿さんの4作目
話は、アムステルダムに住むヤマトが大寒波のある日に元俳優の港くんと出会う。ゲイであることをカミングアウトされたことを契機として芸能界を引退した彼に主人公は惹かれていき、2人だけの関係性を模索していく…という話
古市憲寿さんのこれまでの3作品が割と純文学寄りで書かれていたのに対して本作は割と大衆文学寄り?という感じで今までの作品より読みやすい印象でしたね
誤解を恐れずに言うと本作はボーイズラブって言っていいんかなって思いますね
だからそういうのに耐性がない場合は読むのがちょっと抵抗あるんかなって
ただ正直ね
時代も時代ですしね
人間愛として描かれている部分が大半だし、一部の性描写とか除けばまあ読めるよなって思います
本作はボーイズラブが中心にはあるんですけど
港くんが元俳優っていうことで
古市さんらしい芸能人の華やかさとか現代の最新システムみたいなものへの言及も多くて
古市さんの小説に特徴的な部分を味わえるなって思います
面白さでいうと
ドラッグやパーティーに塗れた俳優と日本食堂で働く一般人の主人公がお互いの差異を感じながらも2人だけの世界で心を通わせていくところですね
立場が違っても惹かれ合うところにはあんまり違和感なく受け入れられたかなって思いますね
テーマで好き嫌いは分かれるかもしれないですけど文章の難しさではあまりハードルが高くなくてこれから古市さんの作品は幅広い読者に届くものとなるのかなと思いますね
『ヒノマル』も毛色がだいぶ違いそうで長編ですけどそのうち読もうかな