中国人の方が書かれた芥川賞受賞作
話は、学生運動やデモ活動に奔走する主人公が大学時代を過ごした後から日本に来て活動する間の話
いやー共感性に欠けますね
これはもちろんこの本がっていう意味じゃなくて自分がですね
日本語で書かれてるしそんなにやろうと思ったけど文化の違いって違いって言語の違いよりも根強いんかなって思いましたね
『星の子』と同時期に読んだ分、思想が脳を雁字搦めにしてる印象が強いですねぇ
物語は大学に友人とともに合格して向かうところから始まるんですけど
その合格発表が郵便局で自分宛の郵便が届くかどうかでなされて
しかも大量の人のなかからほんの一部だけが受け取るっていうのがまず特別感が違うし
その後の周りの人たちの勉強に対するやる気も違うし
なんか本来大学ってそういう場所であるべきだよなとは思いましたね
日本は大学授業っていう面ではあんまり機能してないもんなぁって
モラトリアム感否めないよなぁって
空気感よなぁーって
ま、自分はこの本みたいな雰囲気だったら吐き気する側なんですけどね
で、これ芥川賞受賞作なんですけど
割と前半が出来事を淡々と書いている印象で
直木賞よりっぽいんですね
ただ後半になって主人公が大学でめちゃくちゃになって日本に来てからはとても雰囲気が良いですよね
悪い意味で
まず主人公が意識高い系みたいな集団に属してるのにまるでその意志が感じられないところとか
俺はこのデモ活動に賛成だみたいな根拠が著しく欠けてるのに参加し続けるのがあまりに奇妙で理解し難くて
友達になれそうになくてというより
苦手なタイプで良かった
あと大学追われた先生がどう考えてもクズでしかないところも良かった
先生なんて呼び名を受け入れてる奴にろくな奴いるわけねえだろって
思いますもんねぇ
なんかこの本読んで思ったのは
中国って教育を通して自分の受け皿を作っていてその受け皿のなかに色んな人の意見を聞いた結果の価値観を当てはめている印象を受けたなって
それと貫き通すことを良いこととする傾向があるのかなって
それは日本人が集団のルールに乗っ取りすぎたり、周りの文化に順応して否定する習慣がなかったりすることに相反する文化ではあるかなって思って
そう考えるとオリンピックの誹謗中傷もしていた人がいることは理解できるのかなって
もちろん一部の人なんですけどね