本谷有希子さんの割と最近の作品
(買った時最新作やったのに最新作じゃなくなった)
ネット中毒と社会不適合者の小説
『本当の旅』は、
自分たちのことを意識高くて人より優れていると思ってる中年男女グループが海外旅行に行って連れ去られる話
意識高い系バカにしてるような話で
気持ちはめちゃくちゃわかる
自分たちでクリエイターって言ってんの痛いよなぁって
何で横文字なんだよって
創作物ってとても好きなだけにそれを自らが特別なものの証明だけに使ってるような考え方はあまり好きじゃないですね
小説を書いている方だからこそその気持ちは強いんかなって思いましたね
その場の雰囲気に流されたり、相手の顔色を窺ってばかりだったりっていう状況に警鐘鳴らしてくれる話でしたね
『奥さん、犬は大丈夫だよね?』は、
ネットショッピング依存症の主人公が夫と会社の上司の夫妻と一緒にキャンピングカーでキャンプをしようとして…という話
この話では夫が主人公が通販でいろいろ買うことに文句を言ってるんですけど
届いたものが必要なものだったら別に良いけどなって思いますね
配送中の画面でだんだん自分の家に荷物が近づいているワクワク感好きだから主人公側の気持ちの方が分かりますね
余計なことが気にならない夫婦を通して
価値観がそれぞれ違うことを暗示してあるんですけど正直この夫婦はちょっとって思いますね
やっぱ人との関わり合いに向いてないんかなぁ
ただ流石に最後はオーバーキル
『でぶのハッピーバースデー』は、
会社が倒産してハローワークに行くことになった夫婦がいて、夫は妻の容姿のせいで仕事が見つからないと言って歯の矯正をさせようとしたところでレストランの仕事が決まって…という話
1番純文学っぽくて
1番掴みどころがなかったですね
象徴してるものが何かありそうなんですけどそれがいまいち掴めなくて
ただ夫の方の愛情はとても怖いものを感じました
それだけは確か
この夫婦は
劣等感を対外性の悪意に変換してる節があって
自分たちの弱さみたいなのを浮き彫りにさせる相手に対して何かしてやろうとしてる気持ちがあって
その気持ちはわかるけど嫌だなぁって思いますね
正直自分の場合悪意を向けて返ってくる悪意に対する処理が面倒なんで初めから悪意を向けることがないんですけど
ただ自分のなかに溜まってストレスになっていくのとどっちが良いのか最近分からないですね
人から見たらそりゃあ何も言ってこない人の方がいいんだろうけど自分自身のこと考えたらそうは言ってられない部分もあるよなって
なんかホルモンバランス破茶滅茶になってストレスとか感じなくならねえかな