芥川賞受賞作
話は、
電車の中で間違えて知らない女の人に話しかけてしまった主人公。主人公が電車を降りて日比谷公園まで歩いていくと、公園には先ほど話しかけた女の人がいて、再び話しかけることにする。それから2人は公園でたびたび会う間柄になっていき…という話
この話は、
知らない女の人が知ってはいる女の人くらいの関係性になって、少し展開があったくらいで終わるんですけど
まず細部が素敵すぎる
伊坂幸太郎さんの作品の登場人物がもっている粋さをこの本の登場人物ももっていてそれがさらに都会っぽくおしゃれにアレンジされてる感じ
全体的には
舞台が日比谷公園でテーマが人体の構造のようないろいろな関係っていう感じですかね
話の最初が、間違えて話しかけてしまったのに相手が知り合いかのように答えてくれたっていうエピソードでそこからの2人の関係を知りたすぎてめちゃくちゃ引き込まれた
もう無理、オシャレ
主人公の行動原理がこれまで読んだ小説のなかでもトップクラスに自分と近いからとても読みやすいし、気持ちがわかる
スタバにある女性たちの描写とかがまさに自分から見えてる様子だし、公園に毎日通う気持ちもわかるし
昼と夜の同じ場所の描写をそれぞれしてるのと
あと時系列に沿って公園の先輩なんじゃないかって言ってるのもこの性格だとそういうことになるよなぁっていうのが完全に一致してる
たぶん筆者と性格似てるなぁって
そして何よりメインは女の人との関係ですね
名前も職業も年齢も知らない都会のなかで些細なことで知り合った女の人と恋愛的な意味であれこれなるんじゃなくて
ただ公園の他の人に話しかけたり、ギャラリーを観に行ったりを一緒にするだけの関係っていうのが粋だー
上品だー
たぶんこの小説の書き方するってことは今の作品とかは伏線回収とかの技巧的な書き方になってるのかなって思いますね
いやーよかった