2020年上半期の直木賞受賞作
話は、ある犬が借金を抱えた男、異国から日本に来ていた泥棒、仲の悪い夫婦、娼婦、末期癌を患った老人、少年などの飼い主を渡り歩いていく話で、連作短編集っぽい
タイトルから御涙頂戴系の
動物系のほっこりかと思ったらちょっと違いましたね
まず第一に、めっちゃ人死ぬ
龍が如くかって言いたくなるくらい人死ぬ
人が死ぬシーンがそこまで明確に書かれてなくて呆気なく死にましたみたいなこと書かれてるのも逆に怖くて儚さが表現されていてよかったですね
第二にありとあらゆる犯罪が出てくる
全員罪を犯すんかって勢いで法に触れまくってて
犯罪に至るまでのバックグラウンドもページ数かけて描かれてるんで犯罪者マインドに近いマインド持ってる身としてはとても胸が苦しくなりましたね
第三にバッドエンドと不幸な話のオンパレード
良い話として終わりそうやったのに最後にどんでん返しが起こって結局めちゃくちゃバッドエンドみたいな展開が多くてうわーってなりましたね
これらの内容なんですけど
犬かわいいねじゃ済まされんぞっていうような重い空気で
最後もほっこりする部分はあるけどハッピーエンドではなくて
めちゃくちゃ救いのない状況に追い込まれている主人公たちがわずかで一瞬の幸福の象徴として犬が出てくるんですね
綺麗な感動系の話かと思ってたんですけど
自分が読んでても罪悪感抱かない程度にはヘビーな話で楽しかったですね