話は、高校をドロップアウトすることにした主人公が同じマンションに住む小学生とともに祖父の形見のデスクトップパソコンを使って一儲けしようとする話
いやー、これまで綿矢りささんは3作品?くらい読んだんですけど『インストール』が個人的には1番好きかもしれないですね
話がわかりやすくて短い割にちゃんと子どもから大人になる思春期の成分みたいなのが詰め込まれてる気がして
最初パソコン使って一儲けってあらすじみたいなんに書いてあったんで株やと思い込んでたんですけどチャット風俗?みたいなやつで驚きましたね
今から20年くらい前の話なんでそんなことが商売として成り立ってたんかって
今でもあるんかな?
それを小学生と高校生が大人の女性になりきってするのがまさに思春期の象徴のようで
それが親にバレてることとか稼いだお金に執着がないところとかも子どものモラトリアムみたいなのを表してて爽やかやなって思いましたね
しかもそれで使ってるパソコンが形見でそれをしてんのが人の家の押し入れでっていうのが本当によくて
王道の青春みたいなのじゃなくてちょっと道を逸れてる2人の1ヶ月の体験みたいなのを青春として落とし込んでてその描写のリアルで瑞々しくて当時の綿矢りささんにしか書くことができないものなんだろうなって思いました
いやー好き