綿矢りささんの短編集
表題作の『意識のリボン』は母親を早くに亡くし、父親に長生きすると誓った主人公が車にはねられて生死の境を彷徨う話
1番好きな『岩盤浴にて』は岩盤浴に来た主人公がそこにいた中年女性の2人とかヨガをする人たちとかに対してひたすら人間関係について考えるっていうとても綿矢りささんっぽい話
また『こたつのUFO』は小説家として活動する上で納得いかないことというか嫌なことを最初にエッセイのように綴った後急にUFOに拐われる話
『履歴のない妹』は妹の思い出の写真のなかで出てきた、妹ともう1人の女性が2人で裸で写ってる写真を見ながら主人公と妹が話をする話
という感じなんですけども
綿矢りささんっぽいのが前面に出た短編集でしたね
なんで綿矢りささんの作品が好きなんかなって考えるとフィクションなんですけど素直で正直だからなんやろうなって思います
特にこの本の中で小説に書いたせいでこんな人が好きでこんな振られ方をしたことがあるんじゃないかみたいに言われるのが嫌だって言ってて
それって本当に綿矢りささん自身の意見だろうし、それを小説のなかで書くのって良いなって
小説に出てくる人物の物事の捉え方は筆者の影響というか成分というかが結構出てくると思うんですけど物事自体については別に想像でどうとでもなるやろうからそうやって言われるのは否定したいっていうのはわかる気がしますね
岩盤浴の話で力関係に差が見られる2人組についていろいろと考えるところがあるんですね
明らかに1人の人が話して行動してそれにもう1人の人が合わせるような2人組で
それに対する違和感っていうのがとてもわかる
個人的には2人組の相手に合わせるタイプの人だけになった時にその人が変に自信過剰なときがあってビックリすることが多々ある気がする
いやお前急に自我芽生えたんかって思うんですけどあの現象なんなんやろう
本人視点から見たい
次は『私をくいとめて』を読まなきゃ