綿矢りさの異色作
話は、大震災が起こった後に大学に籠った学生たちがリーダーと呼ばれるカリスマを中心に活動をしている近未来でさらにひどい地震が起こって…という話
まず読んだ感想として
綿矢りささんのおすすめで全くこの小説が挙げられないのが納得だなって思いましたね
作者伏せられたら絶対誰が書いたかわからんなって
単語単位で見たら言葉の選び方に綿矢りささんらしさはあるんだけど
ディストピアであればあるほど好きな自分からしたらめっちゃ好きやなって思ったんですけど
これが綿矢りささんの作品としてオススメされると他との違いがありすぎるよなって
この本の特徴として
リーダーという象徴的な存在と
私と私の男という名もない存在
が出てくるんですけど
それが一回震災が起こることですべてがフラットになった後に新しくそれぞれの人に役割が分担されたような印象を受けて
なんか生態系みたいだなって不謹慎にいうと
それで最初の震災で集団リンチがあったっていうことになってるんですけどそれが本当にそれっぽいし、街も荒れてるっていうのもまた自分の想像に近い状況で理解しやすい分、その空気感は読みやすかったですね
この本の少し怖いところに
かわいいとされている人の命を狙う人が多い
っていうところがあって
災害で散々な目にあったときにそういう恵まれた容姿に怒りが向いて
集団リンチの末に死んだのはお前のせいだまたいなのを口実に殺害しようとしてるのがめちゃくちゃ怖い
どうせお前ら生きてても見向きもしなかっただろうがふざけんな
って言いたくなる
最初から最後まで荒れた世界の話で
とても好きでしたね