芥川賞受賞作品なんですけど、史上最高齢の75歳での受賞となった作品ですね
芥川賞が新人賞っぽいので75歳ってすごいなって
しかも筆者が26歳の時に書いた話も載ってて、1つの本で50年もの時を超えてるってすごいなって
さらに本の構成がリバーシブルで1番中心が最後のページで書いてあって、表題作は横書きで書かれてるってすごいなって
これだけの情報見ると本当に面白そうって思って買ったんですね
まず26歳の頃の作品である『毬』『タミエの花』『虹』に関しては、
それぞれ情景描写とまだ子どものタミエのちょっと暗い世界観でのリアルで心を描いてる感じがあって読みやすいし、あと話の展開としても万引きをするところとかの波もあって面白かったんですよ
で、じゃあ50年経ったらどうだって思って、
『abさんご』の方を読もうと思ったら
最初ひらがなが書いてあることしか理解できなくて
????って
中学生のときに新聞に載ってるセンター試験の古文を見た時と同じような状態に頭がなって
文字はわかるのに読めないって感覚なんですね
50年間で言語を開発したんかと思って
で、よくネットで調べるとめちゃくちゃ難解で芥川賞の選考委員も頭を悩ませたみたいなこと書いてあって
この難しさっていうのが、まずひらがなの量が多すぎてどこで区切って読めばいいかわからないんですね
それに加えて固有名詞というか物を指す言葉を極力使ってないっていうのがとても大変
例えば傘を『天からふるものをしのぐどうぐ』って書いてて
なぞなぞをずっと出され続けてるかのような
横書き80ページ弱やからすぐ読めるやろって思ってたら全部音読しながら2週間くらいかかりましたね
で、話としてはおそらくとしか言えないですけど母親を先に亡くした親子が2人で暮らしてて、そこには2人だけの独特な居心地のいい距離感みたいなものが存在していた
でもそこにそういうのを無視する家事がかり?家政婦みたいな人がきて、そういう空気感を壊していった
それが嫌になった子どもは家出をして以来貧しい暮らしをして生きてきた
そして20年後父親の死に際に久しぶりに親子で会っていろいろなことを回想するのが本文みたいな感じなんかな
この書き方とこの内容を照らし合わせると
子どもの頃の無垢さとか回想の曖昧さの表現として言語化しきれていないような書かれ方がされているのかなと
それと言葉を抽象化することで他の言葉との共通項が広がって詩のように文にリズムが生まれるところに美しさを表現しているのかなと
思いましたね
確かに純文学っぽさはあって面白いけど
とにかく疲れた
こういう文学をゆっくりゆったり楽しむことができるようになることを人生のゴールにしたいな
まだまだ