話は、高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」を介したりキーになったりして進む3人の主人公の物語
全国の料理大会で2年連続の決勝を狙う蓉、「オルタネート」を信奉してそれを使って出会いを探す凪津、大阪の高校を中退して昔一緒に楽器をやってた友人に会いに来る尚志の3人がそれぞれ多少関わり合いながらそれぞれの青春を謳歌していくような、そんな話
率直に言うと、この作品が注目されすぎるのって筆者にとってあんまり良い影響ばっかじゃないのかなとは思いましたね
っていうのも、これまでの作品は割と影の印象が強かったのに対して、今回は直球の光という感じなので
これを1番最初に読んでこんな感じかと思われると前の作品まで読まれそうにないのが少し嫌だなって
(というのも自分的には特に『閃光スクランブル』と『ピンクとグレー』が好きなので)
個人的な感想では
遺伝子情報扱うのに大規模なエラーってセキュリティ大丈夫なんかとか、料理大会の決勝なのに都会の高校に偏りすぎやろとか、ベースなしの演奏で異常な盛り上がりみせんなやとか
脳の片隅の自分は余計なことばっか言ってきていたんですけども
全体としては面白かったですね
読みやすかったし
蓉編、凪津編、尚志編(って言っても順に話変わるけど)というなら1番好きなのは尚志編かなぁ
蓉編は料理メインなんで自分は食べれんのばっかやしって思ったけど今回のやとまあまあ食べれるわ
単純に食に興味がないからか
どうしても料理関係の描写に共感できないところが多くてとても楽しめるわけではないんですよね
どの作品でも
ただ人間関係の部分においては色んな人と上手くいったり、いかなかったりが豊富で面白いですね
凪津編は最初の方はちょっと共感しがたいこととか多かったけど後半の展開とかは割と好きやったかな
爽やかだし、このまま終わるなよって思ってたところがそのまま終わらなくて安心したし
何を言ってもネタバレになるしな
あれやな、遺伝子レベルの相性とか当てにならんとかそういう話っていうのはよくわかる
環境よ、要は
尚志編は登場人物を覚えるのがとても大変ではあったんですけど
話の流れとか終盤の展開も波があって
良かったかなって
えっそんなことになるのって思ってさすがにびっくりするようなところもあって
ちょっと影入って嬉しかったな
あと一箇所はっきりして欲しいところはあったけど
まあそれが粋なのかな
記憶力があれだから、登場人物覚えきれないところがあってこれ誰だよって思うことが半分以降も続いたのはありますがここまで3人の話をまとめて書き上げられるのは単純にすごいし、どうやって書いてるんやろって思いますね
ただ前評判が高すぎたせいでめちゃくちゃ面白く読めた感覚がないのが悔しいんですよね
去年気になってたときに買ってたら良かったな
とはいえ本屋大賞にノミネートされただけあって最後の話の持って行き方とか話の展開とかはとても綺麗で面白かったですね
あとは『チュベローズで待ってる』が待ってくれてるので読まなきゃ