横山秀夫さん作の映画化もされた刑事小説
あらすじ
昭和64年、雨宮翔子ちゃんが誘拐され、殺害されたD県にとって最悪の未解決事件。広報官の三上はその事件の解決に向けて長官が視察をすることになると告げられる。しかし記者との匿名問題での対立や雨宮の後ろ向きな姿勢、そこに警察官の不祥事や新たな誘拐事件が絡んできて…という話
漢の世界っていう雰囲気が強くてめちゃくちゃ苦手なんですけどそれでもストーリーとしてはとても面白い
見栄張んな、しょうもねえって言いたくなる節々があってもちゃんと楽しめた
では、面白かったところを3つほど
まず1つ目は広報と記者との関係
広報室と記者が最初は匿名問題でめちゃくちゃ関係性が悪くて
話が進んでいっても関係性が良くなったり悪くなったりっていう感じなんですけど
その様子が広報室の日常を規定していて
後半の展開の面白さにも繋がるのが良い
敵が仲間になるみたいなのがドラクエみたい
2つ目は警察官の不祥事に苦悩する人々
警察官の不祥事に携わった人々が自殺とかしているわけではなくて生きながらも苦悩している様子が描かれていて
展開的には自殺してましたとかの方がスムーズに行く気がするんですけど
そうではなくてちゃんと生きながらの苦悩を描いているのがリアルさを追究しているようで好きだった
しかもちょっとした希望にも繋がるのも良いよなって思います
3つ目は新たな誘拐事件の真相
64を模倣するような誘拐事件が発生して
それを警察が追うことを通して色々なことが解決に向かっていくのがとても心地いい
そんなことありえるか?っていうところもなくはないけど
真相がわかったときの等身大の人間臭さみたいなのが良かった
綺麗には終わらない感じがいい
ちゃんとストーリーが面白い話は主人公が嫌いでもちゃんと楽しめますね
うん、主人公はとても嫌い