鮎川哲也賞など様々な賞を受賞した作品
あらすじ
ミステリ愛好会の葉村譲は同じくミステリ愛好会の先輩である明智恭介と、難事件を解決している美女の剣崎比留子とともに昨年の合宿で何か起こった映研の合宿に参加する。そこで肝試しをしているときに異変が起きて別荘に閉じ込められることとなる。さらに翌朝、合宿に参加していた1人が遺体で見つかって…という話
思ってた雰囲気と全然違った
ミステリーほとんど読まないから
ミステリー界の用語とか不文律とか全くわからないんですけど
これが評価される世界なんだと思うとミステリーしか読まないっていう人の気持ちが少しだけわかる気がしましたね
攻めた設定に寛容なんだなって思って
途中まで困惑したところもあったんですけど最後まで読むとちゃんと面白かった
面白く感じたところを2つほど
まず1つ目はトリックについて
評価が高いミステリーだから殺害方法のトリックは難しくて新しくてっていう感じなのかと思ったら
自分でもトリックが見当がつくものもあって
確かにあまり聞いたことがないトリックはあったけど全く予想がつかないわけじゃないっていう絶妙な塩梅だから面白く感じるのかなって思いましたね
2つ目は主人公の視点について
主人公の行動の一部が本文で書かれていなくて
でもそれを仄めかすところはあって
っていうのでミスリードを誘うのがとても上手で騙された
一般的な立場で考えると主人公の行動は不自然なんだけど
過去のことと併せて考えるとそれが自然になるっていうのが人を事件の駒として捉えていない気がして好感でしたね
犯人もその動機も殺害方法もなんとなく予想はつくけど確定をすることはできない
だから事件を解くときに明かされる色々のことで自分が合っていたところも間違っていたところもあって
その絶妙なバランスが面白さにつながっているのかなって思いましたね
というか種明かし?の材料が本文で書かれていないところが大部分とかではなくて
ちゃんと本文で書かれていることのみで推理できるっていうのが良かった
設定の奇異さも含めて感じた面白さの度合いが大きいことが単純に評価の大きさに比例しているんだなって思いました
良かった