2020年の本屋大賞10位だった『むかしむかしあるところに、死体がありました。』っていう本を読んで、面白いけどこれが10位なの?そんなわけなくない?もっと上じゃない?って思って
なら1位とやらを読んでやろうじゃねえか
絶対面白いとか思わねえからな
で、読んだ
結論から言うと今まで読んだ本の中で一番好きだった
これまで『かがみの孤城』が一番で、伏線回収とかの綺麗さとかはやっぱ敵うものはなかなかないと思うけど、『流浪の月』はそれとは違う良さがあって大変好きだった
内容は世間的には女子児童誘拐事件の加害者と被害者の話
必ずしも世間的な悪と実際の悪はリンクしなくて、世間的な悪が実際の善であることもあるし、逆に世間的な善が実際の悪であることもあるって言うこともあって
多くの人は実際のところを見ようとしないうちに表面上だけで善悪を判断してるみたいなメッセージがあると思うんですけど
もうほんとにそう
って
本当のことを聞いてくれる人ってほんとにわずかしかいないよな
っていうのが共感の嵐吹き荒ぶ
主人公は家庭が嫌で大学生のところに行ったのに、大学生は逮捕されて家族のところに戻されて
その事件をきっかけに被害者とされた主人公も加害者とされた大学生も社会からしたら異質な存在で好奇な目で見られてみたいなのが、もうほんとにそれが言いたいってなる
表面上でだけ善人ぶってる奴を世間は善人とするんだよな、悲しいことに
でもこの本のおかげで心が救われたような気持ちになる人っていっぱいいるんじゃないかなって
本読んでるだけなのに自分の意見に共感された気持ちになってとても嬉しかった
最後にはちゃんと分かってくれる人もいるにはいるっていう救いもあってそこがまた美しい
ただこれが本屋大賞1位の割には生きづらい世の中やなって思ったんですけど
生きづらさを作り出してる人が本を読まないってことなのか、はたまた本を読んでも何も思わないのか
なかなか難しいもんですねぇ