伊坂幸太郎さんの2作目
あんまり評判が良いみたいなのがなかったんですけどとても良かった
話は、泥棒を生業とする人、不倫相手の妻を殺そうと計画する人、教祖のように慕われてる人を解体することに誘われた人、年下の上司にリストラされて以来職を失った人の4人の視点から語られる4つの話が進んでいくにつれて1つの話に集約されるっていうので集約される
まず構成がエグいですね
これまで読んだ伊坂さんの作品で1番構成と最後の展開が好きかもしれないですね
この本のキーとなるのがエッシャーのだまし絵なんですけど、この本自体がエッシャーのだまし絵みたいな書かれ方をしてるんですね
それが本当に見事です
で、この話のなかで起こる奇妙なこととしてバラバラに解体した死体が繋がったり、動き出したりするっていうことがあって
ここがどうやってそんなことになるのか考えると確かにそれぞれの話が繋がってるってわかるし、納得もできるしって思います
それぞれの話の範囲内で泥棒が泥棒に入った家のこととか教祖を解体しようとした理由とかのネタがありながら
最後にそれぞれの話が繋がってるってわかるネタバラシでさらに面白くなるんですけど、そこでそれぞれの主人公が他の話の脇役的なポジションだったってわかるのがいいなって思います
登場人物に公平な感じがして
一つだけ言うなら最後の最後で時系列ずらしてわけわかんなくしてほしかった
って言うのがあるかなって
エッシャーのだまし絵っていつの間にか元の位置に戻ってしまうみたいなのが魅力だと思うんで、最後の場面が最初の場面に戻るような展開にしてくれたらすべてだまし絵みたいになるかなって
確かにリアリティは皆無になってしまうんですけどそっちの方がより好きやったかなって
とはいえめっちゃ好きやったな
次は『陽気なギャングが地球を回す』だ