伊坂幸太郎さんの3作目
話は、銀行強盗の人質として捕まった過去をもつ4人が銀行強盗として活動している。ある日いつものように銀行強盗をした帰りに現金輸送車を襲う犯人によって盗んだ金を盗られてしまう。その犯人を捕まえるために犯人の行方を追うが、その先々で死体となった犯人や突如襲ってくる男などと出会い…という話
この小説は伊坂幸太郎さんの本に出てくるキャラの良さの原点になってるのかなって思います
タイトルだけ見るとキャラが良いだけで話は平坦な感じかと思ったらやっぱり伊坂さんの作品はそんなことないんやなって思いました
4人それぞれが嘘を見抜く、体内時計が性格、スリが得意、話し上手?とかっていうのとそれぞれの個性的な性格が相まって話とキャラの絡め方かスッと入ってきますね
そしてまたみんな一見普通の人でお金にも困ってないのに副業的に強盗をしてるっていうのが伊坂さんらしさやなって思います
強盗なのに全然怖さを感じないというか周りには迷惑をかけないようにするのもまた伊坂さんっぽくて
人は傷つけずに数分間でお金だけ回収してしかもその間話をして飽きないようにしてそれで逃げるっていうところと
所詮は保険会社のお金で誰かのお金じゃないとかっていうところがとても良い
善ではないけど
物語の展開はめちゃくちゃ驚くほどではないものの伏線回収の仕方がこの作品で完成したんやないかなってくらい綺麗で
伊坂幸太郎さんの作品って伏線回収が正方形の四つ角を綺麗に塗りつぶす感じがあって
一切塗り残しのないように絵を描いてるかのような伏線回収だなって思います
一応話の続きが2冊あるみたいなんですけど
まあ次は発行順からいったら『重力ピエロ』を飛ばして『アヒルと鴨のコインロッカー』だ