芥川賞受賞作
話は、
普通の会社員が結婚してから子どもが生まれて家を建てるまでのごく普通の話
を、淡々と内状を自白しているように書いている
書き方はちょっと遠野遥さんの『破局』に近いのかなって思いましたね
ここまで内容が普通な本ってめずらしいですね
少し前の時代の平均的な会社員の一生っていう感じなんですけど
会社員の人が同じくらいの年齢で結婚して同じくらいの年齢で子どもを生んで同じくらいの年齢で家を建てる理由を教えてくれるような本ですね
しかも書き方が感情を伴わずに淡々とかかれているからより積極的に生きてるんじゃなくて消去法で生きてるってことが強調されてますね
浮気をしていても離婚しないのは結婚の次の段階が迫っているからで
夫婦で話すことがなくなっても
子どもがその言い訳になるからで
急に家を建てるのも家庭的なタイミングと社会的地位のタイミングが合うからでっていう風に
それぞれに理由が挙げられる気がするんですよね
それの終着点として終の住処を建てることでやっと主人公が自分の人生の積極性のなさとか自我のなさに気がつくような構成になっていて
正直会社員になるのが怖くなりますね
レールに乗り続けた人生はこうだぞって言われてるみたいで
この本だけ読むと筆者の特徴が本当に掴めないんですよね
掴みどころがなさすぎて
内容も内容でここが面白かったって言いにくいし、感想を書くのは不向きかもなってここまできて思いました
磯崎憲一郎さんの本は『往古来今』も買ってみたのでそれ読んで筆者について考えようかな