上下巻からなる恋愛小説
あらすじ
逢衣は、結婚をするつもりの颯と夏に旅行に出かける。そこで颯の友人である健と芸能活動をしている彩夏のカップルに出会う。逢衣は無愛想な彩夏を快く思わないが、雷を怖がったり、ゲームでふざけたりしていくうちに打ち解けていく。逢衣と彩夏は旅行が終わった後も2人で遊ぶ仲になっていたが、彩夏が好きな人がいるという理由で健と別れることとなり…という話
めちゃくちゃ好きだー
好きすぎて自分のために書かれたんかと思うくらい好き
読み終わるのが嫌で最後の方少しずつ読んでたくらい好き
あらすじとか見ると恋愛小説っぽかったからどうかなって思ったけどとても面白かった
では面白かったところを3つほど
まず1つ目は心の繋がりと身体の繋がりについて
こういう話って心の繋がりに焦点当てる場合って身体的な繋がりの描写は少ないことが多い気がするんですけど
この精神的な愛と肉体的な愛のバランスがとても心地いい
そして直接的な言葉で愛情を表すんじゃなくて行動原理だったり、時間であったりというところで愛の深さを描いているのがとても好き
恋愛小説でこれだけ目新しさを感じられると思わなかった
2つ目は逢衣と彩夏の別れ
もうね、途中号泣
てめえ何やってくれてんだっていう気持ちになって、登場人物にムカついて
2人ともそれぞれの考え方で1番相手を思い続けられる選択をするけど
それが2人の亀裂となって、再会するときもその亀裂は消えなくてっていうのが
2人のそれぞれの気持ちがわかるし
どっちも悪くないっていうので辛くて
その後の展開も含めてとても良かった
3つ目は逢衣と逢衣の家族、彩夏と彩夏の家族のそれぞれの関係について
まず逢衣と彩夏は家庭環境が全く違って
そこで育った影響が出た性格になって
その差異がとても良いっていうところがあって
それで2人の関係をそれぞれの家族に話した時に
愛情を注がれてきた逢衣だからこそ、逢衣の家族の反応が彩夏の家族とは異なっていて
彩夏の家族が良いわけではないけど
逢衣の立場だとめちゃくちゃキツいなって思う
多様性は大事だけど我が娘は違うって
現代社会でとても感じることですね
周りが言うから多様性は大事っていう考えは認めておくみたいな立場
自分はそういう立場にいたくないなって思いましたね
綿矢りささんの作品ほとんど読んできたのに
まだこんなに好きな作品を読んでなかったのかっていう衝撃を受けましたね
全員に読んでほしいわ