はい、良い
話は、孤児の施設で育った刑務官の主人公が殺人事件を起こして死刑判決を下されたまま控訴をしようとしない少年を相手にその少年の内面に向き合ったり、過去の服役者との思い出を振り返って深く考えたり、高校時代に亡くした友人について考えたりする話
中村文則さんの作品は『去年の冬、きみと別れ』に次いで2作目なんですけど雰囲気の不穏さは筆者独自のものなんですかね
とても似た雰囲気を感じましたね
で、本作では主人公が刑務官っていうのが特徴なんですけど自分自身が高校時代の友人への罪悪感や過去の服役者へのトラウマみたいなものも抱え続けていて
それと刑務官という立場の葛藤が本当に切迫してきてヒリヒリしますね
で、この本の中で死刑制度だったり、収容所に繰り返し収容される人だったりについても書かれていて
前科者を門前払いする雰囲気が逆に犯罪を増やしてんのかなとか死刑執行の責任問題って執行人にかかる負担が強いよなとかいろいろ考えさせられましたね
死刑って今は絞首でやられてるけど責任感じない方法とかないんかなって思って安楽死とか毒殺とか考えても暴れられたら終わりっていうのが問題なのかなとも思いますね
難しい…
なくすのがベストのような気もするけど被害者遺族のことを考えると一概にそうとも言えないですしね…
最終的な展開なんですけど
服役者の人間味が明らかになって
さらに控訴が加害者だけのためにあるものじゃないというようなメッセージを強く感じて
ハッピーエンドとかでは絶対にないですけどとてもすっきりとした最後でよかったですね
面白いといっていいかわからんけどよかった
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