活字中毒者の禁断症状

引きこもりが読書感想文を提出するブログ

【読書感想文】重力ピエロ / 伊坂幸太郎

「ゴリラが2階から落ちてきた。」私がそう言うと、聞いた相手は大抵嫌な顔をする。

と、ザコシさんがIPPONグランプリで引用していたので読んだ


いや本当に悔しい

重力ピエロ読もうと思って机の上に置いてたのにまだ読んでなくてIPPONグランプリ見ちゃったから面白さが半減してしまった

なんかこの文見たことあるとしか思えんやった

あー悔しい


話としましては、主人公の泉水には母親が強姦で襲われたときにできた春という弟がいる。その春とともに連続放火犯とその近くで描かれたグラフィックアートの謎を突き止めていくという話


この話の特徴としては主人公が遺伝子検査の会社で働いていることと父親ががんに侵されていることと血の繋がりかポイントなのが相まってとにかく生物系の内容が多いんですね

特に塩基配列とかの遺伝子関係の話がとても多いので生物系の人が読みやすい感じなんかな

重力なのに


で、重力ピエロっていうのは

深刻なことほど陽気に伝えないとね

空中ブランコを飛ぶピエロが重力を感じていないように

っていう精神からきてるんですけど

親の教養とセンスがありすぎるだろって

そこらへんの親が言ったらとんでもなく変な空気になるだろって思いますけど

そういう言葉が似合う大人になりたいなと思いますね


この本のテーマとして強姦についてのことが割と書かれておりまして

なんかその結果生まれた人がかっこよくて芯があってみたいなのってとても皮肉というか複雑ですよね

うーん、実際に生むことを選択して育てる人ってどれくらいいるんですかね

父親が俺の子どもだって言い張るのはかっこいいけど

ちょっとそれにしても複雑ですね

当人になってみれば自己嫌悪に陥りやすそうだし、精神的に安定させるの難しそうだし

本人視点の描写はなかったけど、春も精神的なものはとても複雑だと思うんですよね

難しい


特殊な環境で生まれた人の綺麗とはいえない感情に共感できる話ですね