芥川賞受賞作
最初タイトルだけ見た時に完全にお菓子作りとかパティシエ関係やと思ったわ
愚かだなぁ…
話は、東京に住む主人公のもとに夜の仕事をしている妹とその娘がやってくる。妹は豊胸手術をするためにやってきたが、娘はしばらく喋らずに筆談で会話をするという状態だった。女性の身体について取り憑かれた妹と女性の身体としての変化に嫌悪感を抱く娘の話。
川上未映子さんの前評判読むと関西弁で一文一文が長くて読む人を選ぶっていうことが書かれていて
ちょっとどうかなって思ってたんですけど
めちゃくちゃ好きでしたね
この作品は主人公視点で流れていく本文っぽい部分とその間に挿入されている形で娘のノート?のメモが書かれてるんですね
その娘視点の文章がほんとに素直でとても良かった
特に印象に残ってる部分は
自分の身体が成長しきってない状態から体内には子どもの元となる部分があって気持ち悪いとか自分が子どもを作る準備のために血を流すのがアホらしいとか絶対に子どもなんか産まないとかで
本当に包み隠してない感じが読んでいてとても清々しくて
これに近い感覚って思春期で抱くものだと思うんですけどそれをとても鮮明に描いてて
素晴らしいなって
この話の最後の展開で鶏の卵が出てくるところもあるんですけどそれが象徴的な役割を担ってるのも、考え方にもよるんですけどわかりやすい解釈の仕方もあると思ってそれが助かる
この本のリメイク版かつ続きとして10年ぶり?とかに『夏物語』という作品が出ててそっちも評価がとても高くて読むのが楽しみ