活字中毒者の禁断症状

引きこもりが読書感想文を提出するブログ

【読書感想文】熱源 / 川越宗一

直木賞受賞作の時代小説


話は、

樺太アイヌとして生まれたヤヨマネクフとその幼馴染のシシラトカと千徳太郎治が子どもの頃から始まって、学校に行って、成長して結婚をして、漁や先生をして過ごしていく前半1

そしてポーランドで生まれて学生生活を送っていたブロニスワフ・ピロウツキが、友人の皇帝暗殺計画により樺太に流刑になるが、そこで樺太の民族に支えられて…という前半2

それぞれの登場人物が出会って樺太を他の文明に潰されないように学校を建設しようと奮闘する中盤

日本やロシアが樺太に侵攻したり、南極探検隊として活動したり、戦争が始まって国が目まぐるしく変わったりするなかで各々の立場で奮闘していく終盤

からなる

盛りだくさん


最初の数行読んで難しそうやなって思ってたんですけど

いやー熱い

熱いよー

エモい

っていう展開が続いて

読んでてずっとワクワクするし

おもしろかったですね


ゴールデンカムイみたいっていう感想がまあまああるみたいなんですけど

たぶんその感想はどっちにも失礼な気がして

それぞれの人物が自分の使命を感じててその達成を目指すってこととアイヌのことが多く描かれてることくらいしか共通してない気がして

それぞれの良さをだいぶ排除してる

確かに熱源もアニメの主人公感あるんですけどまず主人公2人いるし

相棒キャラみたいなの男の人だし

アイヌ自体を探索するわけではないし

両方熱いけど


ポーランド人のブロニスワフ・ピロウツキが皇帝の暗殺計画に巻き込まれて、友人たちを失った想いが最後までずっとあって、次第に暴力的になっていく町と自身の弟にずっと反対して、危険な身になりながらも決して芯を曲げない感じとか流刑にされた地でお世話になった人たちのためにその民族が滅びないように活動していくときに千徳太郎治と共鳴してる感じがもう少年漫画の主人公でカッコいいし、

ヤヨマネクフも自分の妻との約束を果たすためにアイヌとしての誇りをもって歴史に名前を刻む決意をして南極に行こうとする生き様がカッコいい

本当に架空の登場人物だけどカッコいいって思ってたら参考文献見て衝撃でしたね

南極探検隊くらいからあれって思ってはいたんですけどね


アイヌについて詳しい文化とかに焦点が当てられて書かれているわけではないんですけどこれ読むともっとアイヌについて知りたいと思ったし

生まれて初めて海外に行ってみたいって思いましたね

アフリカの民族とか気になり始めて


いやー熱かった