2020年の本屋大賞第8位
話としては、精神科医の主人公がイレスという永久に眠り続ける病に罹った4人の患者が運ばれてきた病院にいて、その患者たちがどうして眠っているのかを担当医として、そして特殊能力を持つ者として解明し、治療し?、さらにはその謎にも迫っていくという話
で、これ本当に8位かってくらい面白かった
主人公が患者の夢の中に入るんですね
最初の方読んだ時はファンタジーが過ぎるってくらいファンタジックでどうだろうって思ったんですけど
夢の中の非現実的な情景がその人自身の過去とリンクしてて、情景にちゃんと意味があるんですよ
それが伏線みたいになってて実際に患者の過去についてわかる場面でそれらが何を意味していたかがわかるんで伏線回収があんまり時間を置かずに行われて、かつそれがそれぞれの患者に対してあって
っていう構成が本当に面白いと思いましたね
このムゲンのi構成って小説の構成として最強なんやないかって思います
それで最後の展開もコペルニクス的転回のようなパラダイムシフト的な展開になってて
それまでなんとなくの違和感だったことへの伏線回収がとめどなくて
ちゃんと納得できるような形で終わったのが良かったですね
流石にちょっとショックっていう部分もありましたけど
ファンタジーの部分は森見登美彦さんのようなファンタジック感があって知念さんの作品としては新しい要素だったと思うんですけど
それに知念さん独自のリアルな医療描写?みたいなのが加わって新しい知念さんの作品って感じがしましたね
ファンタジー×医療っていうちょっと不釣り合いのような設定の本をここまで上手く書くとなると次の作品はどうなってしまうんだって
ますます期待が高まりますね