活字中毒者の禁断症状

引きこもりが読書感想文を提出するブログ

【読書感想文】ふがいない僕は空を見た / 窪美澄

ARTIFACT OF INSTANTっていうバンドの『不甲斐ない僕らは空を見上げた』っていう曲が好きで、どうやらそれによく似たタイトルの小説があるみたいで、しかも時代的にそっちが前みたいでっていうのを知って買った

webで調べたらR18の作品賞受賞してるし、あらすじもちょっと過激な感じだったけど本屋大賞2位でもあるって最近の本屋大賞ではない感じやなって思いますね
短編ではないのかもしれないけど章ごとに主人公変わるから短編っぽいっちゃあ短編っぽい

内容は人のふがいなさについてってことなんかな
主婦と不倫してる男子高校生、男子高校生を買春してる主婦、その男子高校生が好きな女子高校生、その男子高校生の友達、その男子高校生の母親
こうやって書くと一応この男子高校生が主人公なんかな、全体の
桐島に似てる気がする

R18であることもあって最初の過激さよって
何ひとつ包み隠さない感じで、潔くてカッコいい
登場人物それぞれの人間味とか弱さとかがとてもリアルで、法には触れていることもよく出てくるけどそれが犯罪者として捉えられなくて自分ごととして捉えられましてヒリヒリしますね

この本の中でどうしようもない団地が出てくるんですけど実際どうなんですかね
団地って人が家族単位で収容されてるみたいな感じあって怖いイメージあるんですけどそうでもないんですかね
人との距離感が近い分確かに空気感は少なからず伝播しそうなのはありますよね
対人恐怖症には厳しいですね

起承転結ははっきりしてなくて純文学っぽさもあるんですけど読みやすくて
でも一冊の本にふんだんに犯罪が取り入れられてて
程よい毒を摂取したい時には良いですね